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🎯 この記事でやること
家庭内に2台のWindows PCがあり、片方のPCにあるファイルをもう片方のPCから直接開きたい。 そのために共有フォルダ(SMB)を設定します。
前提:2台とも同じルーター配下(同じWi-Fi/同じLAN)につながっていること。
SMBとは Windows標準のファイル共有の仕組みのこと。特別なソフトを入れなくても、 エクスプローラーのアドレスバーに \\PC名\共有名 と打つだけで 別PCのフォルダを開けるようになります。
他の方法と比べてどうなのか
| 方法 |
向いている場面 |
面倒な点 |
| USBメモリ |
1回だけ/容量が小さい |
毎回コピーする手間がかかる。容量が大きいと時間もかかる |
| クラウド同期 |
外出先からも見たい |
アップロード待ちが長い。容量課金になりがち |
| NAS |
常時/家族全員で使う |
機器の購入費と設置の手間 |
| 共有フォルダ |
家の中で、たまに/単発で使う |
初回の設定でつまずきやすい(=この記事の本題) |
コピーもアップロードも不要で、元のPCに置いたまま開けるのが共有フォルダの強みです。 「ファイルを移したいわけじゃない、向こうのPCから見たいだけ」ならこれが一番早い。
🔧 事前準備:ネットワーク設定を確認する
ここが済んでいないと、この先どれだけ正しく設定しても相手のPCが見つかりません。 共有元・共有先の両方で確認します。
1. ネットワークプロファイルを「プライベート」にする
- 設定 → ネットワークとインターネット → Wi-Fi(または イーサネット)
- 接続中のネットワーク名をクリック
- ネットワークプロファイルの種類を プライベートネットワーク に変更
「パブリック」はカフェや空港など、知らない人がいる前提の設定です。 この状態だと自分のPCが他から見えないようブロックされるため、家の中でも共有できません。
2. ネットワーク探索とファイル共有をオンにする
- コントロールパネル → ネットワークと共有センター
- 左メニューの「共有の詳細設定の変更」
- 「プライベート」の欄で、ネットワーク探索を有効にする + ファイルとプリンターの共有を有効にする
📌 STEP 1:PC名を確認する(3通り)
共有フォルダへのアクセスには \\PC名\共有名 という表記を使います。 まずは共有する側のPC名を調べます。
方法1:設定から見る(確実)
設定 → システム → バージョン情報 → デバイス名
方法2:コマンドで見る(速い)
hostname
方法3:エクスプローラーから探す
エクスプローラー左側の「ネットワーク」を開くと、同じLAN内のPCが一覧表示されます。
⚠️ 筆者が最初に間違えたところ コマンドプロンプトに出ている C:\Users\user> の 「user」はPC名ではありません。これはユーザーフォルダ名です。 ここをPC名だと思ってアクセスしようとすると、当然つながりません。 PC名は hostname で確認してください。
💡 PC名は変更できます 初期値は DESKTOP-A1B2C3D のようなランダムな文字列です。 打ち間違えの元になるので、設定 → システム → バージョン情報 →「このPCの名前を変更」で MY-PC のような分かりやすい名前にしておくと後がラクになります。 変更後は再起動が必要です。
👤 STEP 2:アカウントの種別を確認する
アクセス時に認証を求められますが、そこで入力するユーザー名はアカウント種別によって変わります。 先に自分がどちらか確認しておきましょう。
- 設定 → アカウント → ユーザーの情報 を開く
- メールアドレスが表示されていれば Microsoftアカウント
- 表示されていなければ ローカルアカウント
| アカウント種別 |
認証時に入力するユーザー名 |
| Microsoftアカウント |
メールアドレスをそのまま(例:example@example.com) |
| ローカルアカウント |
PC名\ユーザー名 の形式(例:MY-PC\user) |
📎 豆知識:ユーザーフォルダ名の謎 C:\Users\ の下にあるフォルダ名は、Microsoftアカウントの メールアドレスの先頭5文字から自動生成されています。 example@example.com なら examp。 自分で決めた覚えがないのはそのためです。
そして重要なのは、このフォルダ名はログイン用のユーザー名ではないということ。 認証画面でここを入力しても通りません。
🖱️ STEP 3-A:GUIで共有する
設定するフォルダが1〜2個ならこちらが手軽です。
- 共有したいフォルダを右クリック → プロパティ → 共有タブ
- 「詳細な共有」→ このフォルダーを共有する にチェック
- 共有名を決める(日本語も通りますが、半角英数が無難。例:share01)
- 「アクセス許可」→ Everyone に 読み取り のみ チェック
- OK → プロパティ画面の「ネットワーク パス」が \\MY-PC\share01 に変わっていれば成功
💡 なぜ「読み取りのみ」にするのか 向こうのPCから開いて見るだけなら、書き込み権限は不要です。読み取り専用にしておけば、 別PCから誤ってファイルを削除・上書きされる心配がありません。
⌨️ STEP 3-B:コマンドで共有する
複数フォルダをまとめて設定したい場合や、手順を記録して再現したい場合はこちら。 管理者権限のターミナルで実行します。
共有する
net share share01="D:\share01" /grant:Everyone,READ
share01= の左側が共有名(ネットワーク上での名前)、 右側が実際のフォルダのパスです。 READ を指定することで読み取り専用になります。
確認する
net share
出力結果
共有名 リソース 注釈
-------------------------------------------------------
C$ C:\ Default share
IPC$ Remote IPC
share01 D:\share01
コマンドは正常に終了しました。
解除する
net share share01 /delete
⚠️「アクセスが拒否されました」と出たら 原因はほぼ管理者権限で実行していないことです。
スタートボタンを右クリック →「ターミナル(管理者)」で開き直してください。 タイトルバーに「管理者:」と付いているかが確認ポイントです。
⚠️ フォルダ名が日本語だと通らないことがある コマンドが受け付けない場合は、共有名を半角英数にしてください。 共有名を半角英数にすれば、アクセスするパスも \\MY-PC\share01 のように半角英数だけで済み、 別PCからの入力もラクになります。
📂 STEP 4:もう一方のPCからアクセスする
- エクスプローラーのアドレスバーに \\MY-PC\share01 を入力してEnter
- 認証を求められたら、STEP 2で確認した形式のユーザー名とパスワードを入力
- 「資格情報を記憶する」にチェック(次回から入力不要になります)
- フォルダの中身が表示されたら成功。ローカルのフォルダと同じように開けます
💡 よく使うならショートカットに 毎回アドレスを打つのが面倒な場合は、開いた状態で「クイックアクセスにピン留めする」を選ぶか、 エクスプローラーの「ネットワーク ドライブの割り当て」でドライブレター (Z: など)を割り当てておくと、次回から一発で開けます。
🚨 STEP 5:つながらないときの対処
ここからが本題かもしれません。実際につまずいた箇所を順番に。
認証が何度も弾かれる(← 筆者はこれでハマりました)
一度失敗した情報が資格情報マネージャーに残っていると、 あとから正しい情報を入れても、古い方が優先されて弾かれ続けます。
Win + R → control /name Microsoft.CredentialManager → 「Windows 資格情報」→ 対象PC名の項目を削除してからやり直してください。
先に資格情報を登録しておく(筆者はこれで解決)
同じ資格情報マネージャーの「Windows 資格情報の追加」から、 アドレス欄にPC名(MY-PC)、ユーザー名、パスワードを登録します。
登録しても画面上は何も起こらないので不安になりますが、これで次回以降すんなり通ります。 認証ダイアログとの格闘から解放されました。
PC名で見つからない
名前解決がうまくいっていないケースです。IPアドレス直打ちを試してください。
対象PCで ipconfig を実行してIPv4アドレスを確認し、 \\192.168.1.10\share01 の形式で入力します。
プロパティに「共有」タブが表示されない
エクスプローラーの一時的な不具合の可能性があります。まず閉じて開き直す。 それでも出ない場合は、STEP 3-Bのコマンド方式か、 fsmgmt.msc(共有フォルダー管理)を使ってください。
パスワードが分からない(PINしか覚えていない)
認証で聞かれるのはPINではなくアカウントのパスワードです。 PINはそのPCの端末でのみ有効な暗証番号なので、ネットワーク越しには使えません。
思い出せない場合は、Microsoftアカウントのパスワードをリセットするか、 一時的に「パスワード保護共有」をオフにして接続します。
つながるが、表示や転送が遅い
Wi-Fiが2.4GHz帯につながっている可能性が高いです。電波が混雑しやすいうえ、 サイズの大きいファイルを扱うには帯域が足りません。 5GHz帯に切り替えるか、有線LANにすると安定します。
🔒 セキュリティの補足:Everyone って危なくない?
「Everyone に許可」と聞くと、インターネットの誰でも見られるのではと不安になりますが、 そうではありません。理由は3つあります。
- ルーターのNAT/ファイアウォールがある
NATは家庭内のPCと外部インターネットの間で住所を変換する仕組みで、 外部から家庭内のPCへ直接到達することはできません。
- SMB(ポート445)はプロバイダ側でもブロックされているのが一般的
仮に設定を間違えても、そもそも外から届きません。
- パスワード保護共有がオンなら、LAN内でも認証が必要
Everyone は「誰でも素通り」ではなく、「認証を通ったユーザーなら誰でも」という意味です。
つまり実質的にアクセスできるのは、家のWi-Fiにつながっていて、かつログイン情報を知っている人だけです。
⚠️ ただし、次のケースは注意
・来客にWi-Fiパスワードを教えている(ゲスト用SSIDを分けると安心)
・ネットワークプロファイルが「パブリック」のまま持ち出すノートPC
・ルーターでポート開放やDMZを設定している
使い終わったら net share share01 /delete で共有を解除しておけば、より確実です。
📝 まとめ
GUI方式とコマンド方式の使い分け
- GUI:1〜2個のフォルダを設定するだけならこちら。画面を見ながら進められる
- コマンド:複数フォルダをまとめて設定する/共有タブが出ない/手順を記録して再現したい場合はこちら
そして読み取り専用で共有しておけば、誤って消される心配がありません。 つまずきやすいのは「PC名とユーザーフォルダ名の取り違え」と「資格情報マネージャーに残った古い情報」の2つ。 ここさえ押さえれば、設定自体は10分もかかりません。